夜勤前に行きたくない看護師は多いと思う。
私はそうだ。
まあ、そりゃそうだと思う。
好きこのんで生活リズムを壊して、
責任だけは重い場所に向かいたい人間なんて、たぶんそんなにいない。
でも、こういうことを言うと前向きの人間は
すぐに「甘え」とか「みんな頑張ってる」とか、
便利な言葉を投げてくる人がいる。
あのへんの正論って、
自分がよくわかっているんだよな。
欲しい言葉があるとすれば『わかる』だけだ。
夜勤はというものは医学的に言えば、体内時計を乱す。
睡眠負債もたまるし、免疫も落ちやすくなる。
つまり、
「行きたくない」と感じるのは、
意志が弱いからじゃない。
体が「もう嫌なんだけど」と
わりと正直に訴えてるだけだ。
むしろ正常ですらある。
哲学っぽく言えば、
ストア哲学には「アパテイア(不動心)」という考え方がある。
別に無感情になれって話じゃない。
感情に支配されきらず、
自分がコントロールできることにだけ集中する、という姿勢だ。
だから、
夜勤が嫌だと思うのはそのままでいい。
その感情まで否定し始めると、
人間はだいたい余計に壊れる。
「行きたくない。まあ、でも今日は行く」
そのくらいでいい。
あるいは、
「今日は行く。でも逃げ道は探しておく」
でもいい。
出勤前に転職サイトを眺めるのだって、
別に意識高い行動じゃない。
ただの避難経路確認だ。
でも、人間って、
出口があるとわかるだけで少し呼吸しやすくなる。
だから、見てもいい。
逃げ道を持っていていい。
行ける日は行く。
でも、壊れる前には逃げる準備もしておく。
それは弱さじゃない。
自分を雑に扱わないための、最低限の理性だ。
今日も夜勤前に「行きたくない」と思っているなら、
それはあなたが怠けているからじゃない。
まだちゃんと、自分の異常を異常だと感じられている。
それはたぶん、
自分を守ろうとしている証拠だ。
今も、こんなことを考えながら夜勤の準備をしないといけないという葛藤をしている。
・・・これでも看護師歴10年だ

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